プぺルの絵本を読みました!れれれれれれれ1111111111111111111

 

はじめに

いま世間を超絶怒涛に沸かせているほぼ詐欺師の絵本作家西野さんが作られた『えんとつ町のプぺル』を読みましたのでその感想を述べようと久々にブログを立ち上げました。

パスワード忘れてましたけどunchiburiburiと打ったらログインできました。不思議だね。

 

以前テレビかなんかでホームページで無料公開されていると聞いたのでそこから読みました。お金を落とすかどうかは内容次第で、ということで。

 

ホームページのURL

poupelle.com

 

西野氏の言動やクラウドファンディングの内容がTwitterを賑やかしていますが、作品に関しては彼の人間性は関係ないと考えていましたので、そういうのは抜きにして読むことにしました。

 

 

ちなみに、上のホームページにたどり着くために「えんとつ町のプペル」と調べるとサジェストに「つまらない」が出てきたので興味本位でそれを押すと知恵袋のあるページがトップに出てきました。

 

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楽しむためには彼の人間性を受け入れなければならないとかハピで止まってますが。

 

まぁそれはそれで置いといて、さっそく読んでいきましょう。

 

記事では同絵本の画像を引用していますが著作権法32条に基づいて引用しております。出典は西野氏が再編したホームページhttps://r25.jp/article/581356883170827173

より。

 

 

導入

この絵本は次の一文から始まります。

 

 

 

「4000メートルの崖にかこまれ、そとの世界を知らない町がありました。」

 

 

 

 

進撃の巨人かな?

 

 

 

ちゃんと見ていきましょう。pp.1~14

 

崖に囲まれた開発が進む町があり、そこでは四六時中工場が動いているため煙突から常に煙が上がり、そのため空は煙で覆われ全く空の様子が確認できませんでした。それでも町に住む人たちは活気的に生活しており、ハロウィンの催しを楽しんでいました。

そのとき、空を飛ぶ配達屋さん(ネコ)が煙のためその町に配達品を落としてしまいました。その配達品は何と心臓。しかも動いている。配達屋さんは視界が悪いためその配達品を諦めてさっさと次に行ってしまいました。

 

既にツッコみたいところがいくつかありますが、絵本なので細かいところは置いておきましょう。空をかける配達屋がいてネコってなんだか既視感が…

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そして、その心臓が落ちた先はえんとつ町のはずれにあったゴミ山。その心臓にゴミが集まり人間の形をしたゴミの人形ができました。

 

 

進撃の巨人の第一印象とも相まってこの町がワンピースのグレイターミナルに見えてきました。

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そうしてできたゴミ人間は町に繰り出しました。ハロウィンとのこともあって町の子どもたち各々仮装をし、武士の名乗りのような自己紹介をしてくれます。子どもたちはゴミ人間を仮装と思っていたようです。

ハロウィンがおわり、子どもたちが仮装を脱ぎ始めるとゴミ人間が本物のゴミ人間であることがバレ、「汚ねェ~!」「臭ェ~!」と迫害を受けます。追い出された先で出会ったのが、この物語の主人公「ルビッチ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プペル サボ」の画像検索結果

 

 

 

サボじゃねーか!!!!!!

先ほどのグレイターミナルも含めてサボじゃん。

 

 

「プペル サボ」の画像検索結果

 

 

 

そうしてゴミ人間はこのサボルビッチに「プペル」と名付けられるところまでが物語の導入部分です。

ルビッチという名前もルッチに似てるよね。服装も。

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展開部1

起承転結の承にあたるところです。pp.15~20

 

ルビッチは子供ながら仕事をしているようで、煙突掃除屋だそうです。ルビッチ曰く彼には父親がいないとのこと。

彼はプペルに対してこう言いました。「そのニオイでは嫌われて当然」と。

プぺルはルビッチにこう言いました。「君は僕を避けないね。」と

ルビッチは返事しました。「なんだか懐かしいニオイがするんだ。」

 

自分で臭いと言っておきながら懐かしいニオイがするってどういうことだってばよとナルトが出てきましたが絵本なので(ry

 

パッパが禁止されていた海への外航で事故死してしまったことが、マッマとルビッチが会話の最中に明かされ、マッマはパッパの照れ屋で鼻をこすってごまかすところが好きだったことをカミングアウトします。急だなおい。

 

ところが、ルビッチはそんなパッパの唯一の写真が入ったペンダントをドブ川に落としてしまいました。探しても見つからなかったのであきらめているそうです。かなしいね。

パッパには夢があり、それはこの町から見えない『ホシ』を見ようとして死んだとのこと。町のみんなはホシなんてものは存在しないと信じておりパッパを嘘つき呼ばわりしていました。しかし、パッパはルビッチにホシをみる方法を教えていました。

 

「『信じぬくんだ。たとえひとりになっても』」

 

信じ続けるではなく信じぬくってところがなんだか臭いですね、ゴミ人間だけに。

 

とはいってもサボのお人よしな性格の理由が分かった気がします。プペルをたった一人で気に掛ける理由もこれに起因すると思いました。周りの評価を気にせず自分が正しいと思ったことを信じ続けるのだと。よくある展開ですが子供向けの話としては良い話だと思いました。

 

 

展開部2

起承転結の転です。pp.21~34

 

プペルが例のハロウィンキッズたちにいじめられ、身体の一部をちぎられて帰ってきました、かわいそうに。プペルは自身を化け物と認識しているため仕方ないことだと諦観しています。

そしてルビッチもスクランブル交差点ハロウィンキッズにいじめられます。プペルが原因で。そうしてルビッチはプペルと縁を切ることにしました。

 

 

 

 

 

さっきのおれの感慨深くなった心情を返してほしい。この急展開に体が追い付いていない。イニシャルDでももう少し滑らかに曲がるわ。

 

 

 

 

 

 

 

別れの場面。背景にゴミらしきものが飛び散ってるのもワンピースっぽい。

 

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そうして2人は袂を分かち、プペルはどんどん汚れていきました。端折っていましたが、もともとルビッチに毎日洗ってもらっていたのですよね。

 

 

 

そうして何日が経ったある夜、ルビッチの家にプペルが訪ねてきました。ルビッチは縁を切ったことを強調しますがプペルはそれを無視してついてくるように強います。この拒否性能はピカチュウ並み。

 

切羽詰まった様子に仕方なくついていくとそこには海があり、船がありました。

 

 

 

 

 

 

 

カールじいさんじゃねーかこれ。

 

 

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そもそも崖とかどこにいったのという話ですが、細かく描写されていたわけではないので、海の外側に崖があったということなんですね。

 

 

さて、なんで風船を付けたりとかしているのか謎ですがルビッチも同じ疑問を抱きます。しかしプペルは「いそがなきゃ。いそがなきゃ。ぼくの命がとられるまえに」としか答えません。

 

しばらくして数百個の風船が取り付けられるとようやく目的が分かりました。煙の上にあるホシを見に行くそうです。

 

その風船は呼気にて膨らませていたので浮くのかどうかという問題がありますが絵本(ry

 

 

とりあえず浮いて上空へと向かっていきます。

そこで問題となるのが例の煙。

プペルは息を止めるよう言い、煙に突入します。

 

 

 

 

 

竜の巣じゃんこれ。ラピュタは本当にありそう。

「龍の巣 ラピュタ 雲」の画像検索結果

 

 

 

竜の巣もとい煙を突破すると見渡す限りのホシが。

「パッパはうそつきじゃなかった」とルビッチが呟きます。信じぬいてへんやないかい。

 

まとめ部

起承転結の結のところです。pp.34~44

 

そうしてホシをみてほっこりしたルビッチですが、プペルが町に帰える方法を説明し始めます。一緒に帰らないの?と誰しも思う場面ですがここでプペルが自分語りを始めます。後隙がなくても割り込むスマブラ―の鑑。

 

曰く、ルビッチが失くしたパッパ入りペンダントを探していたそうです。ドブ川の行きつく先のゴミ山で。

プペルが日に日に汚くなっていたのは洗われなくなったからではなく、ゴミ山に入り浸っているからだとよくわからない伏線が回収されました。

しかしながら、どれだけ探してもペンダントは見つかりませんでした。かなしいね。

 

 

ところがプペルに電流走る。ルビッチに「懐かしいニオイがする」と言われたことを思い出します。

 

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自身の脳にあたるところにペンダントがあるのを発見します。

ハロウィンキッズたちに身体をどんどん千切られていたので、これがとられるのも時間の問題だと考えていたのですね。

 

 

身体の一部がとられるとその部分が機能しなくなるのを実体験しているため、これをルビッチに返すということはすなわちプペルが動かなくなることであると、プペルは説明します。そうしてペンダントをルビッチに返そうとした瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

のるなエース‼‼ダメだ!

とプペルを制します。

パッパの写真が見たければその都度プペルに会いに来るから、だから毎日あそぼうと諭します。

この言葉にゴミ人間(原文ママ)は涙を流し、さらにルビッチからの感謝の言葉にプペル(原文ママ)は照れ臭くなり鼻の下をこすりました。

ここですべての前振りが回収されることになりました。ハロウィンであったことや配達屋が心臓を運んでいたことは、死者の魂が帰ってきたことに結び付けるためでした。だとしたらなおさら心臓をちゃんと届けないといけないのでは?

 

この仕草にルビッチはすべてを察し、この言葉を投げかけます。

「ハロウィン・プぺル、キミのしょうたいがわかったよ」

「会いにきてくれたんだね、父ちゃん」

 

 

そして最後にこの絵で締めくくられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワンピースじゃねーか!!!!!!!!!

 

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それに月に影で描くというのはかの有名なE.T.ですね。

 

「ET 月」の画像検索結果

 

 

 

最後まで突っ切った絵本だった…

著作権があやしいのはそちらでは?

(ちなみにこういうのはパクっても何ら問題ないらしい。流石。)

 

 

 

完走した感想

完走した感想ですが、ちゃんとした大人が読むにはキツイと思いました。

物語の展開がありきたりとかそういうのは絵本パワーで乗り切れるのですが、読んでいるだけでいろんな作品がちらつき、内容に集中できませんでした。

 

展開の仕方も、絵本だから許せるのであってこれを1つの作品として捉えるのは文明人として異議を唱えざるを得ません。俗に言う伏線にあたるものも、この作品には見受けられましたが疑ってしまうとオチが読めてしまう張り方だったので、絵本の文字をなぞるだけで済ませないと最後に感動できなくなりそうです。

実際、急にパッパの好きな仕草を入れてきたときに「あぁ、これでパッパを識別するんだなぁ」と勘ぐってしまいました。それに配達屋が冒頭に出てきましたが、これが全く物語の舞台に関係なかったので余計に勘ぐる要素が際立ってしまいました。

また、主人公のサボが星を見に行くことが夢であることを示していたことをはっきりと表現していた場面がないのですよね。パッパの夢が星を見ることであることは明示されていて、サボはそのパッパにある種の尊敬の念を抱いていたのは伝わってこなくもないのですが、サボがそうであることは示されていないので、空に行くという展開についていけませんでした。まだ記録指針が空島に取られたからという理由で空を目指すルフィのほうが共感できました。

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ですが、これはあくまで大人がこの絵本を作品として捉えたときの話であって、実際の絵本のターゲットである子どもたちにとってはあまり疑問に捉えられない要素であると思っています。他の絵本とかに目を通してみるとそんなもんですしね。そらまめくんのベット好きでした。

生まれてから10年も経たない子どもたちならば、他作品が顔を出すこともありませんしね。ただし、絵本に出てくる言葉や表現はそういう子たちにとって難しいのではないかと思えるものもありました。まぁ絵本読むような子ならば、大人に意味を尋ねたりすると思いますのでさしたる問題ではないかなと思います。

しかしながら絵本として捉えるならバッチバチの問題があります。めっちゃ高い。2000円(税別)。さっきのそらまめくんは900円です。みんな大好きノンタンは600円。

関わっている人数や労力を考えると妥当であると言えなくもないですが、子どもたちにとってはあんまり関係ないのですよね。

 

そのこともあり、西野氏は無料公開していると発言していますが、絵本の無料公開は一般に行われており、さらに無料公開することで売り上げが上がるという話も一般的です。初めて無料公開した絵本会社の担当者曰く「子どもたちが無料で読むため、子どもたちが手元に置きたがって買うのではないかと分析している。」という話だったはずです。この話は遠い昔に聞いた話なので真偽のほどは定かではありませんが、納得はできる話ですね。

絵本であっても、買ってもらうために作っているのでどのような購買戦略をとろうが批判すべきものでないと思っていますが、絵本の中でもぶっちぎりに高いのは、絵本として捉えるには決定的な欠点かな~と思いました。それでも売れてるのだからすごいね。

 

ところで、この絵本のターゲットについてもう少し考えてみようと思います。

絵本である以上子どもが対象であるのは明らかであると思われますが、氏はこの絵本に「えんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会の風刺。」というメッセージを込めていることを明言しています。

であれば、もともとのターゲットが子どもであるとは考えにくいですよね。そもそも現代社会がなんたるかを理解しているかどうかすら怪しいですし。

 

となると本来のターゲットは自然と大人になります。私のように、無料であれば興味本位で調べるだけで読めますし、ホットな話題にさせるには商売戦略として正しいように思えます。しかし、そうであれば、私が初めに挙げたような事柄が引っかかり始めます。

 

そういえば、急にホットな人間となった人物には映画監督の新海誠がいますよね。私は「秒速5センチメートル」からのファンでして、「君の名は。」で急激に認知されるようになったことに最初は驚いていました。(上映されたのが大学受験の年の夏で、終わってからの3月に観に行きました。そのためなぜかは知らないけどロングランになっている映画として受け取っていました。)

しかし、実際に観てみるとその理由が分かりました。新海誠の描く人間模様って、基本的に少年が人間関係に苦心しながら大人や社会といったどうしようもない大きなものと関わり合う中で、苦難をともに乗り越える同年代の女の子に思いを寄せ始めるがうまく接することができない…といった思春期の童貞くささを長々と描くのが売りだったんですよね。主人公の男の子に感情移入できるかどうか、それが好き嫌いをはっきりと生んで認知度が高まらない原因になっていました。ちなみに僕は拗らせ童貞だったので好きでした(^ω^ )

君の名は。」ではそれがさっぱり取り除かれていて、基本的に第三者目線で話が進んでいきます。また、長編かつSF要素と現実要素の兼ね合いもあって矛盾点などの疑問を感じるところもありました。瀧君が三葉に思いを寄せている場面もしっかりと描かれていませんでしたしね。*1

しかし、世間の評価はそういうストーリーの整合性や主人公への感情移入は二の次で、「映像や音楽がきれい」「2人の絶望的な関係に涙した」といった表層的なものが多かった印象です。そういう受け取りやすい要素があって、かつ眺めているだけで分かりやすい人間関係がヒットしたのかなと素人ながら考えています。実際、続く「天気の子」では童貞くささが戻ってきた以外は映像や音楽もグレードアップしているのに世間の評価は低めで興行収入も落ちてます。ちなみに僕は拗らせ童貞だったので好きです(^ω^ )

 

今回のプペルも、大人が読めば引っかかると言いましたが、表層的に字をなぞるだけであれば引っかかることはありません。絵もとてもきれいですし、似た表現がある他作品も有名とはいえ漫画やアニメであって頭にない人も多数存在すると思います。そういうところが現代の人間にヒットし、「このストーリーなら子どもでも感動できる!」と子どもに伝播するように仕向けたのではないのでしょうか。実際にプペルの原画展やなんやかんやを子どもたちのもとに!というのをクラウドファンディングでたくさんやっていますしね。

氏はプペルの制作に4年半かかったと発言されていましたが、ちょうど「君の名は。」の上映と同時期であって、これに倣っている可能性は十分ありそうです。といっても、「君の名は。」以降は解像度が高い情報を詰め込むブームであるので単にそれに乗っているだけかもしれませんが…。

 

今更ですが、なぜこのターゲットの話をしたのかという話をします。

個人的な推察で話を進めましたが、「えんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会の風刺。」に現れるようにこれが大人をターゲットにして作られたものであるのは明らかであると考えています。それが絵本という形であっても大人に響くのであれば、何であっても構わないと思います。

しかし、氏の発言や言動にもある通りこれは絵本である以上子どももターゲットに入れているのです。内容や表現に気になるところが多すぎるのに、「子どものために」と謳い、大人がターゲットであるのに本来読むべきは子どもであると論点をずらしているようで、その点が個人的に気に食わないですね。そう考えると2000円というのも「子どものために」を担保に買わされているようで余計に腹立ってきました。

「原辰徳」の画像検索結果

 

個人的な鬱憤はここらに置いときましょう。

氏の人間性を加味しなければ大変な作品で、加味すれば今度は腹が立ってくるやはりハピで止まる作品でしたわコレ

 

とは言いつつも、すごい絵がきれいだったので美術館に行くつもりで映画に行こうと思いました。

 

 

 

 

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無理でした。

 

https://twitter.com/roy_twi/status/1228540692873396224?s=20

*1:でも男子高校生ならよくしゃべるかわいい子いたら、たいてい好きになるから不自然ではないのかな?